糖質制限を行うことによって身体を細くすることができただけではなく、体調が優れるようになったと感じる人がいます。もちろん余分な脂肪がなくなれば体は軽くなり、その分余計なエネルギーを必要としなくなります。そのためこうしたことが原因となり、体調が優れるようになったと感じる人がいます。

しかしそれだけではありません。多くの人は糖質制限を行ってからというもの、これまで感じていた体の痛みや怠さが最善され、それゆえに楽になったと感じているのです。

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実のところ、糖質制限には体の痛みや怠さを軽減させる効果があります。もちろんこれは誰にでも生じることではありません。とりわけ血糖値の上昇によって血液がその影響を受けやすい人は、糖質の摂取量を制限することによって体の痛みが軽減されることがあるのです。

ではまず糖質が血液に及ぼす影響と痛みの原因について見ていくことにしましょう。その後、慢性的な体の痛みの改善を促すために糖質制限と並行してできることについて述べたいと思います。

糖質と体のコリや痛みの関係

まず糖質の過剰摂取による体の痛みの原因についてお話ししたいと思います。

ご存知の通り摂取された糖質はまず生命を維持したり体を動かすためのエネルギーに変換されます。

しかし必要なエネルギーを作り出すのに使われる量をはるかに超える糖質を摂取した場合、それは血液中に取り込まれます。当然のことながら糖質が混じった血液は粘度を増し、流れが悪くなります。この状態が体に傷みを引き起こす2つの状況を作り出します。

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まず血行が悪くなると体の各部分にこりが生じるようになります。オフィスなどで働いている人の多くは同じ姿勢を長時間取ることが多く、肩こりや腰痛を経験したこがあるはずです。このような状況で生じるこりは血液の流れが滞ることによって引き起こされるものです。恐らくこのような状況を改善するために簡易マッサージを行ったり、軽い運動を行うという人がおられるはずです。マッサージや運動は血行促進効果があるために、これらは肩こりや腰痛に最適です。これと同じようなことが糖質の過剰摂取によっても生じてしまうのです。

そのため自分で肩や腰を軽くマッサージしたり、体を動かすことで一時的な解決を見ることができるものの、糖質をたくさん摂取する傾向にある人は血行不良による慢性的な体の痛みに悩まされることがあるのです。

ドロドロ血液で怪我が治りにくくなる?

また血液中の糖質の量が増え、血液が粘度を増すといわゆるドロドロ血液となってしまうために、細い血管を自由に行き来できなくなってしまいます。この状態は神経に影響を及ぼします。

神経には中枢神経と末端神経が存在します。そして末端神経の近くに存在する血管は非常に細いものです。

しかし血液中の糖質量が多いとこの血管に血液が運ばれにくくなってしまうのです。このような状況が引き起こされると神経系が正常に働くことができなくなります。とりわけ知覚神経や自律神経といったものが影響を受けると体の痛みや怠さを引き起こすことがあります。糖質の過剰摂取はこのような流れで体に不調を生じさせるのです。

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また何らかの理由で同じところを何度も傷めてしまうという人がいます。そしてそのような箇所がなかなか治らずに困っているという人もおられるはずです。

このような怪我による痛みも糖質の過剰摂取が関係していることがあります。これまで考えてきたように糖質をたくさん摂取してしまうとそれが血液の粘度を高め、循環を滞らせます。人は怪我などによって細胞を損傷した場合、それを修復するために必要な栄養素を血液によって運びます。

しかし血流が悪くなるとその栄養素が怪我をした場所にスムーズに運ばれなくなり、治りが遅くなってしまうことがあるのです。もちろんこれは怪我をした場所などにもよりますが、痛みがなかなか引かないという人の中には糖質の摂取量が影響しているというケースもあるのです。実際、糖尿病だと怪我が悪化しやすい、治りにくいと言われています。

糖質制限が痛みの軽減に役立つ理由

上記の項目で考えたように糖質制限を行って摂取した糖質をエネルギーに変換することができれば血糖値の上昇を防ぐことができ、体の痛みを改善することができます。

また怪我をした箇所をいち早く修復することも可能となるために、糖質制限は体の痛みに対処する方法の一つでもあるのです。加えて糖質制限によって余分な脂肪を落として体重を減らすことができれば腰や関節にかかる負担も軽減されます。このような状況が体の痛みの改善に役立つこともあるのです。

糖質制限や過度なダイエットで筋肉量が低下し体の痛みに

しかし逆に糖質制限を行っている最中に体に傷みが生じるようになったという人もいます。ではこのような症状はどうして現れるのでしょうか?

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1つ考えられるのが、筋肉の衰えです。糖質制限に限らず、例えば野菜だけを摂取するダイエットや、低カロリー食品だけを摂取し続けるような過度なダイエットを行うと、結果として筋肉の衰えにつながります。体の筋肉量が減ると、その結果関節痛などが引き起こされるのです。ダイエットを行う場合は、必要カロリーの摂取、筋肉の元となるたんぱく質の摂取を心がけるようにしましょう。

ダイエット中の筋肉痛である場合も

ダイエット中に起こる体の痛みとして解りやすいものでいうと、筋肉痛と言う場合もあります。ダイエットを行っているときには、代謝を上げるため筋肉を鍛えることが勧められています。そのためこのダイエットを始めた後に慣れない筋トレを一生懸命に行う人がおり、それが原因で腕や脚、さらには腰に筋肉痛を感じることがあります。筋肉痛は筋肉繊維が壊れることによって引き起こされます。そしてそれが修復されるときに筋肉が太くなるために、筋トレ後の筋肉痛は筋肉が鍛えられていることを示すものです。

しかし中には糖質制限を始めたことによって体に痛みが感じられるようになったと勘違いしてしまう人もいます。多くの場合、筋肉痛がその原因ですが、激しい痛みが走る場合や明らかに筋肉痛とは異なる種類の痛みが感じられる場合はすぐに病院へ行くべきです。

血糖値を上昇させないためにできること

人が生きていくために必要なエネルギーを作るためのおおよその糖質の量は、インターネットなどの情報によって知ることができます。

しかし代謝の量や活動量は人それぞれ異なるために、単なる情報をもとにして糖質の摂取量を決めることは決して容易なことではありません。たとえば自分は体が大きく、代謝もそこそこ良い方なので少し多めの糖質を摂取してもかまわないと感じ、実際にそうする人は滅多にいません。なぜなら自分の計算が間違っていた場合に糖質の過剰摂取につながり、再び健康被害や肥満が生じてしまうことがあるからです。このような状況を確実に回避したいという人におすすめなのがタンパク質の摂取です。

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体はエネルギーを作り出すのに必要な量の糖質が体内に存在しない場合、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作り出します。そのため糖質制限中はふさわしい量の糖質を摂取していないと筋肉が衰えてしまうことがあるのです。しかしタンパク質を意識して摂取し、筋肉をしっかりと鍛えていれば、仮に糖質制限を行っている間に体がエネルギー不足に陥っても筋肉への影響をケアできるわけです。

また糖質を全く摂取しないという極端な方法を取ることは大変危険です。なぜならこれまで考えてきたように、糖質は生命を維持するためのエネルギーを作り出す大切な成分です。これを摂取しないと筋肉が分解されてエネルギーとなるわけですが、そのせいで筋肉が非常に速いスピードで衰えてしまうことがあります。もしかすると糖質を全く摂取せず、タンパク質をたくさん摂取してエネルギーを作り出せばよいのではないかと考えておられる人もいるかもしれません。

タンパク質過剰摂取による体への影響や害

一方で気になるのがタンパク質の過剰摂取による健康被害。炭水化物を減らす分、動物性・植物性のタンパク質を多少増やす…という程度ではなく、毎日鳥のささみだけを3食!というような過度なタンパク質の摂取をしていると、もちろんそれによる弊害が表れる場合があります。

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まず内臓疲労が生じます。摂取したタンパク質のうち、余ったものは分解されて窒素となります。この窒素を体外に排出するためには肝臓と腎臓が忙しく働かなければなりません。そのためこの2つの臓器にかかる負担が多くなり、疲労が蓄積されてしまいます。これらの臓器は毒素を排出させる働きを有しているために、疲労ゆえに働きが鈍くなると体に大きな被害が及んでしまうのです

次に腸内環境の乱れを挙げることができます。先にも述べたように、摂取したタンパク質全てが体内に吸収されるわけではありません。余ったものは腸内に残り、その後分解されて排出に至ります。しかし腸内にしばらく残ったタンパク質はそこに生息している細菌の餌となります。

そして悪玉菌などがそれを食べて増え広がることもあり、このようなことが原因で腸内環境が乱れてしまうこともあるのです。またタンパク質の過剰摂取はカロリーオーバーや尿結石をもたらすこともあり、大変危険なのです。

こうしたことを考えると糖質制限を行う際は糖質を完全に退けるのではなく、必要な分の糖質を摂取してそれを補うための筋肉を維持するためにタンパク質の摂取を定期的に行うようにすべきであることが理解できます。またもともと身体が細く、健康促進のために糖質制限を行っているという人もいますが、このような人はもともと筋肉がそれほど強くないことがあります。そのためタンパク質をしっかりと摂取して定期的な運動を心がけることと、必要な量の糖質を摂取することを特に意識して行うようにするべきです。

糖質が生じさせるその他の痛み

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これまで考えてきたように糖質の過剰摂取によって引き起こされる痛みの多くは血行不良によるこりや、神経異常によるものです。

しかし長い間糖質の過剰摂取が続くと、その他のことが原因で痛みが生じることがあります。それは動脈硬化によるものです。血糖値の上昇が引き起こす血行不良については説明しましたが、この状態が続くと血管に傷がつくようになります。

そしてついた傷を修復するために白血球がそこに集まるようになるわけですが、このときに血液中にある脂肪などを傷に付着させてしまうのです。このようなことが起こると血管が次第に固くなり、尚且つ狭くなります。この状態が動脈硬化なのです。

動脈硬化はふくらはぎなどによく生じます。ふくらはぎは比較的むくみやすく、疲れが蓄積しやすい箇所です。そのためここに痛みが走ってもどうせ血行不良や疲れのせいだろうと考えてしまいがちです。進行状況にもよりますが、動脈硬化の場合は肩や腰のこりとは異なり、マッサージや運動によって症状が和らぐことはあまりありません。

関連:糖質制限とむくみの関係

そのため以前はかなりの量の糖質を習慣的に摂取しており、糖質制限を始めてもふくらはぎの痛みがなかなか取れないという場合は動脈硬化の可能性を疑うことができます。糖質制限を始め生活習慣を改善することで治療できるものもありますが、この病気はひどくなると大変危険です。気になる人は病院で診察を受けることが望ましいでしょう。

体に異変を感じたら早めの対処が一番です

体に原因不明の痛みが走るという人は少なくありません。もちろん日々の生活習慣が痛みと大きく関係しているわけで、それらが必ずしも糖質の過剰摂取によるものであるとは言い切れません。

しかし甘いもの、そして麺類やご飯といった炭水化物が好きな人の場合、痛みの原因が糖質の過剰摂取である可能性があります。そのためまずは糖質制限を行い、痛みが改善されるかどうかを試してみることができます。

また糖質を過剰摂取する傾向にあり、いずれは糖質制限を行って痛みの改善を図ることを心に決めているものの、それをなかなか行動に移さない人がいます。

このような人はいち早く糖質制限を行うべきです。なぜなら糖質の過剰摂取による体の痛みは慢性化することがあります。また動脈硬化などの病気も糖質の過剰摂取によって引き起こされることがあり、こうした危険性を考えても、糖質制限は必要であるなら早めに始めることがふさわしいと言えます。

また別の注意点として挙げることができるのは、張り切り過ぎないようにすることです。糖質制限中はタンパク質をしっかりと摂取し、筋肉を鍛えるために適度な運動を行うことが求められています。先にも少し触れましたが、ついつい張り切ってしまって普段は行わないような激しい運動を行い、逆に筋肉を傷めてしまう人もいます。もちろん糖質制限の効果をなるべく早く見たいという気持ちが早ってしまい、このような行動を取ってしまうことは十分に理解できます。

しかしこのようなことが生じるとせっかく体の痛みを軽減する効果のある糖質制限が台無しになってしまいます。とりわけこのような状況は糖質制限ダイエットを行っている人に見られるものです。

現在、様々なダイエット法がありますが、そのほとんどはゆっくりと身体を細くすることを目的としたものです。またこのようにゆっくりと身体を細くすることで体にかかる負担を軽減することができます。そのため糖質制限ダイエットとそれに伴う筋トレも焦らずにゆっくりと行うことがお勧めです。

いずれにせよ正しい方法で行う糖質制限は多くの場合体の痛みや怠さを改善してくれますので、この点をしっかりと意識していくべきです。