鏡を見ると何となく顔が腫れて見えるとか、靴下や靴がはきづらく感じられるといった経験をしたことのある人は少なくないはずです。このような症状は多くの場合、むくみによって引き起こされます。

むくみとは簡単にいうならば体が腫れることです。実のところむくみにはきちんとした医学名が付せられています。それは浮腫(ふしゅ)というものです。むくみの原因は血液中の水分が血管やリンパ管から抜け出し、それが手足や顔などの皮膚の下に溜まった状態のことをいいます。とりわけこの症状は顔と足に生じやすいために、冒頭でも述べたように顔が腫れていると感じられることや靴下や靴がはきづらくなったと感じることがあるのです。
 
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医学名が付けられているもののむくみによって痛みが生じたり体の機能に大きな影響が及ぶことがないために、そのまま放っておく人がいます。

しかしむくみは細胞への栄養補給や老廃物の排出を妨げます。またむくみは慢性化することがあるために、解決に努めるべきです。実のところ、むくみ解消はそれほど難しいことではありません。

また食生活にちょっとした制限を加えることでむくみが改善されたと感じる人もいます。その一例が糖質制限です。糖質制限とは文字通り糖質の摂取量を制限することです。たくさんの糖質を摂取するとインシュリンの働きによって脂肪が蓄積されてしまいます。このような状況を避けて身体を細くするために糖質を制限し、ダイエットを試みる人が増えています。そしてこの制限は脂肪を減らすだけではなく、むくみの解消にも役立つことが分かっています。

ではむくみの仕組みについてもう少し詳しく見ていくことにしましょう。その後、むくみの解決法やむくみと糖質制限の関係についてご紹介したいと思います。

むくみが生じるメカニズム

ご存じのとおり、人間の体の約60%は水分です。

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のうちの多くは血液で、心臓のポンプ作用によって体の隅々にまで運ばれてきます。血液は血管内を通って移動するわけですが、毛細血管に達するとそこに生じている小さな隙間から血液中の水分がいくらか抜け出します。この水分は間質液や組織間液と呼ばれており、酸素や栄養素を細胞に与えるという重要な役割を担っています。毛細血管から抜け出た間質液や組織間液は細胞に栄養素を与えた後、今度は細胞の代謝によって生じた二酸化炭素や老廃物を吸収し、再び毛細血管やリンパ管に戻っていくのです。

この流れが通常ですとむくみが生じることはありません。しかし何らかの原因で間質液や組織間液が毛細血管内に戻ることができなかった場合、それが皮膚の下に溜まってしまうことがあります。これが腫れを生じさせてむくみとなるのです。ではどのようなことが原因となってこの血液のサイクルが狂ってしまうことがあるのでしょうか?次にこの点について見ていくことにしましょう。

むくみの原因

ではむくみの主な原因について見ていくことにしましょう。ここでは顔と足に生じるむくみの原因、そして生活習慣がもたらすむくみについて述べています。

1.顔のむくみの原因

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顔がむくんでしまう原因はいくつかあります。まず朝起きると顔がむくんでいるという人がいます。このような人は足に溜まっていた水分が体に回ってしまうことが原因です。人は活動している時間のほとんどを上半身を起こした状態で行います。そのため体の水分は下半身へ移動します。

しかし睡眠を取るために長時間横になると体内の水分が均等に配分されるために、活動しているときよりも多くの水分が顔に溜まることになります。このようなことが原因で顔のむくみが生じてしまうのです。またうつ伏せになって寝てしまうと瞼に水分が溜まりやすくなってしまうために、目が腫れぼったくなってしまうのです。

睡眠中は想像以上に汗をかきます。そのため睡眠前に水分補給を行うことが勧められています。しかし当然のことながら汗をかく量には個人差があります。そのため必要以上に水分を取ってしまうとそれが汗となって体外に排出されずに残ってしまい、むくみの原因となるのです。こうしたことが生じないよう自分の体についてよく理解し、睡眠前には必要な量の水分のみを摂取するように心がけるべきです。

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またお酒の飲みすぎも顔のむくみを生じさせることがあります。まずアルコールには利尿作用があります。そのためお酒を飲むとたくさんの水分が体外に排出されることになります。この水分を補うために脳は指令を出し、喉の渇きを感じさせます。その結果たくさんの水分を補給することとなり、結果的に水分の過剰摂取が生じてしまうのです。このような流れでむくみが生じてしまうこともあります。

またアルコールを摂取するとおつまみを食べることになるわけですが、塩辛いものを食べると喉が渇きます。このような状況も水分の過剰摂取を招くことになり、むくみを生じさせます。加えてアルコールには血管を広げる作用があります。このような状況は間質液や組織間液の量を多くし、むくみが生じる確率を高めます。
上記で取り上げた理由により、アルコールの過剰摂取がむくみにつながることがあるのです。

2.足のむくみの原因

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足に生じるむくみも水分の過剰摂取によって引き起こされることがあります。とりわけ先にも述べたように人間の体は活動中は水分が下半身に下がる傾向にあるために、足はむくみが生じやすい箇所です。特に一日中座りっぱなりの仕事や、立ちっぱなしの仕事を行っている人は要注意です。また血液は心臓のポンプ作用によってのみ移動するわけではありません。筋肉のポンプ作用によっても移動します。そのため足の筋肉が弱い人は足にむくみが生じやすくなります

3.その他の原因

上記で取り上げたもの以外にもむくみを引き起こしやすい生活習慣がいくつか存在します。そのうちのいくつかは下記のとおりです。

インスタント食品

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先にも少し触れましたが、塩分の取り過ぎは喉の渇きを生じさせるために水分の過剰摂取をもたらします。そしてインスタント食品にはたくさんの塩分が含まれているために、たくさん食べることでむくみの原因を生じさせることがあります。また塩分を過剰摂取すると細胞の浸透現象によって間質液や組織間液の量が増えます。こうしたことも関係し、むくみが生じることもあります。

血行不良

血行が悪いと血液が均等に行き渡らなくなります。その結果一か所に水分が溜まりやすくなり、むくみが生じてしまいます。

運動不足

先にも触れたように、筋肉は血液を移動させるポンプの役割を果たしています。そのため運動不足によって筋肉が鍛えられないとその作用が弱り、血液が特定の箇所に溜まりやすくなってしまいます。その結果特定の箇所で間質液や組織間液の量が増えてしまい、むくみが生じてしまうのです。

偏った食生活

パンを食べる

むくみは偏った食生活によっても引き起こされます。たとえばカリウム、カルシウム、そしてマグネシウムなどのミネラルには余分な水分を体外に排出する役割がありますので、これらが不足しているとむくみが生じやすくなります。

またタンパク質の摂取も非常に重要です。摂取されたタンパク質の一部は体内でアルブミンという物質に分解されます。そしてそれは血管内に取り込まれるわけですが、血液中のアルブミンの濃度が低いと浸透圧の影響で間質液が増加してしまい、これがむくみを生じさせることがあるのです。そのためタンパク質も重要な栄養素なのです。

病気や薬によるもの

むくみは何らかの病気が関係して生じることもあります。たとえば心臓の機能が弱るとむくみが生じますし、腎臓が上手く働かないときにも生じます。加えて常用している薬がむくみを引き起こすこともあります。そのため急にひどいむくみに悩まされるようになったという人や、むくみがなかなか取れないという人は、病院で検査するべきです。

むくみの解決方法

むくみ誰にでも生じうるものです。しかし多くの場合、比較的容易に解決できます。まず顔に生じたむくみですが、起床してから普通に活動していれば徐々に引いていきます。そのためむくんだ顔を多くの人に見られたくないという場合は少し早起きしてくつろげる時間を取り、それから出かけることができます。

またうつ伏せになって寝てしまうと瞼がむくみやすくなってしまいます。このようなことを避けるために、仰向けになって眠るように心がけることができます。そしてお酒の飲み過ぎや塩分の取り過ぎは顔だけでなく体全体のむくみに影響してきますので、注意が必要です。

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座りっぱなしであったり立ちっぱなしである場合は足にむくみが生じてしまいます。恐らく仕事上このような姿勢を長時間取らざるを得ないという人は少なくないことでしょう。それでも軽いストレッチを数分行うだけでも状況はかなり異なってきます。そのため昼休みや小休憩のときにストレッチを行ったり、短時間のウォーキングを行うことができます。

またオフィスなどで働いている場合はエアコンの冷気が血行不良をもたらすことがあります。このような状況もむくみを引き起こす原因となりますので、オフィスが寒いと感じる場合は羽織ものなどを持参して体が冷えないようにするべきです。

体が比較的冷えやすいという人にお勧めなのが定期的な運動です。運動すると血行が良くなるためにむくみが解消されます。また運動は筋肉の増加をもたらします。筋肉量が増えれば血液を送り出すポンプの力が増すために、特定の箇所に血液が集中して間質液や組織間液の量が増加するという状況を回避することができます。こうした点を考えても、定期的な運動が非常に重要であることが理解できます。

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しかしどうしても上記で述べたようなことが行えないという状況に直面することがあります。たとえば仕事が忙しくて運動するための時間が取れなかったり、クライアントとの付き合いのためにお酒を飲まなければならないといった状況です。このような場合、むくみを解消してくれるサプリメントを使用することができます。これらのサプリメントにはむくみ解消のための成分が含まれています。多くの場合、それはカリウムなどのミネラルで、余分な水分を体外に排出する効果を有しています。そのため状況的に生活習慣を見直してむくみを解消することが難しいという人は、このようなサプリメントを一時的に使用することができます。

むくみと糖質制限

では次にむくみと糖質制限の関係について見ていくことにしましょう。

これまで考慮してきたように、むくみが生じることにはいくつかの原因が存在します。そのうちの一つが血行不良です。血液が上手に循環できないとある特定の箇所に集まることになります。とりわけ重力の影響を受けて足に蓄積してしまうことがあります。その結果そこでの間質液や組織間液の量が増えてしまい、むくみが生じるのです。

摂取された糖質は血管内に取り込まれ、そこで処理がなされます。糖質は大きく分けると2つのものに変化します。一つは体を動かすためのエネルギー、そしてもう一つは脂肪です。エネルギーとして使用されない糖質は脂肪として体の各部位に運ばれるまで血液の中に存在し続けることになります。このような状況は血行不良を引き起こすことになり、むくみの原因となります。しかし糖質制限を行っていればエネルギーとして必要な量の糖質のみを摂取することになるために、血液の流れに影響することはありません。これがむくみ解消を促すのです。

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体がエネルギーを作り出すために必要とする糖質の量は日々変化します。たとえばオフィスで一日中椅子に座って仕事を行うときと、激しく運動するときとでは体が必要とするエネルギーの量は大きく異なります。そのため毎日決められた量の糖質のみを摂取するだけでは、逆にエネルギー不足になってしまうことがあるのです。このような状況はタンパク質をしっかりと摂取して筋肉を鍛えることで解決されるわけですが、こうした理由ゆえに糖質制限を行っている人はタンパク質の摂取を意識して行うようにしています。

大豆食品

先にも少し触れましたが、タンパク質はむくみ解消に役立つ栄養素です。そのためこうした食生活がむくみの原因を取り除いてくれるのです。

一方で糖質制限をしていてむくみに注意するべきこととして、塩分の取りすぎというポイントがあります。お米などの主食を減らし、おかずを増やすことで、結果的に味付けされた物の量が多くなり、塩分過多になることも。先ほど述べたように塩分の取りすぎはむくみにつながります。糖質制限の食事をする際は、全体の塩分量が多くなりすぎないよう、味付けを薄くしたり、ご飯の代わりにドレッシングやソースをかけない野菜や豆腐を食べたり、気をつけることにしましょう。

むくみは身体を太く見せたり、ファッションに影響することもあるために多くの人にとって厄介なものです。しかしこれまで考えてきたように、それを解消することは決して難しいことではないのです。それで生活習慣を見直し、自分には何ができるのかをしっかりと見極めるようにしましょう。そして原因や解消法がはっきりとした場合、むくみが慢性的なものとなる前に行動するようにしましょう。