多くの人は年齢を重ねるごとに肥満という問題と取り組むことになります。たとえば男性の多くは若いときに運動を趣味としています。

しかし仕事が忙しくなって体を動かす機会がなくなったり、加齢による体力不足が影響して運動に関わることが少なくなることがあります。こうした状況下にあるものの食べる量は以前と変わらないという場合、消費カロリーが減っている一方でたくさんのカロリーを摂取していることになるわけですから、当然のことながら身体は太っていくわけです。

更年期が肥満の原因に! 更年期とは?

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そして女性の場合、加齢と肥満の関係に大きく関わるのが更年期です。更年期を迎えた女性の多くは身体が太ったと感じますが、これにはきちんとした理由があります。

そもそも更年期とは、閉経に伴うホルモンバランスの崩れによる自律神経失調症の1つです。女性の場合は、50~60代に閉経が起こることが多く、この年代と、その前の女性ホルモンが減少し始める40代からこの症状になる人が増えるといわれています。

症状としては、ホットフラッシュと言われる体のほてりや、汗を多くかくようになるスウェッティングなど、それと同時に、肥満や、精神の不安定など体的にも気持ち的にも乱れが生じるのです。

更年期の肥満の原因

更年期に太る原因としては、ホルモンバランスの乱れが影響しています。女性ホルモンであるエストロゲンは血液中の中性脂肪をコントロールする役割を果たしていますが、更年期を迎えるとエストロゲンの分泌量は減ります。そのため血中脂肪の量が多くなり、容易に肥満が生じるようになるのです。

これ以外にも、年齢的による運動不足、ストレスによる過食、基礎代謝の減少など、様々な原因が作用しています。

更年期のダイエットとして実行している人も多いのが、この糖質制限ダイエット。

  • 食べる量を減らすのは難しいけれど、炭水化物や甘いものを減らして食べる量を維持できる。
  • 今まであまり動いていないので、いきなり運動だけで痩せるのは難しい
  • 食べる量を極端に減らしたり、単食のダイエットだとストレスが溜まる。更年期でストレスが溜まりやすいのでおすすめできない

…などの理由で、糖質制限にたどり着く方も多いようです。

更年期中で糖質制限をするときの注意点

注意しなければならない点もあります。これらの点はこのダイエット法を行う全ての人が注意すべきことですが、とりわけ更年期を迎えている女性は要チェックです。ではどのような点に注意すべきなのか、まずはその点を見ていくことにしましょう。その後、糖質制限ダイエット中に食べることが勧められている食材やふさわしい生活習慣について述べていきます。

糖質制限ダイエットによる筋肉の減少に注意

年齢と肥満の関係について少し触れましたが、多くの人は加齢と共に体重が増えていきます。しかし中には体重は若い頃とさほど変わらないという人もおられます。しかしそのような人であっても体形は若い頃と異なるはずです。ではなぜ体重に大きな変化がないにもかかわらず、体形が変化してしまうのでしょうか?これには筋肉が関係しています

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人の体は加齢に伴い、筋肉が痩せていきます。実は脂肪よりも筋肉の方が重く、そのため筋肉が痩せることによって体重そのものは少なくなっていくのです。そして体重が若い頃と変わっていないということは、やせ細った筋肉の代わりに脂肪がついたことを意味しています。そのため若い頃には引き締まっていた体が、何となく弛んで見えてしまうのです。このような状況を改善するためにも、年を取るにしたがって筋肉の強化に励む必要があります。しかし糖質制限がこれとは逆の状況を生じさせることがあります。この点に関して、まずは糖質の役割についてもう一度見ていくことにしましょう。

まず糖質の主な役割は体を維持するために必要なエネルギーを作り出すというものです。そのため糖質は摂取すべき重要な成分なのです。そして必要な量の糖質が摂取されないと、体はタンパク質や脂肪を分化してエネルギーを作り出します。脂肪だけが燃焼されれば良いですが、筋肉の主成分であるタンパク質は糖質不足に陥ったときに分解され、エネルギーに変換されてしまうことも、当然のことながら筋肉は痩せてしまいます。

この項目の最初の方でも触れましたが、人は年齢を重ねると筋肉がやせ細る傾向にあります。当然のことながら更年期を迎える女性もそのような状況にあります。そしてもしこのときに糖質制限を行い、十分なエネルギーが体内で生産できない状態に陥った場合、筋肉はますます衰えていきます

そのためエネルギー不足には要注意です。ではこうした状況に陥った場合、何をするように心がけるべきなのでしょうか?次にこの点について見ていくことにしましょう。

筋肉の維持にはタンパク質の摂取が重要

体は体内にあるタンパク質からもエネルギーを作り出します。そのため十分な量のタンパク質を摂取しておけば、それがエネルギー源となります。そこでお勧めの食材が鶏肉や魚などの動物性タンパク質と、大豆や大豆食品などの植物性タンパク質です。これらをバランスよく摂取することが重要です。

動物性タンパク質

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まず動物性タンパク質ですが、鶏胸肉などはお勧めできます。なぜならこの部位は肥満をもたらしかねない脂肪が少なく、タンパク質がたくさん含まれているからです。

また価格が比較的安いというメリットも有しています。そして魚に関してですが、この食材には肥満をもたらしかねない栄養素がほとんど含まれていません。もちろん食べ過ぎは禁物ですが、魚に関してはほぼどのようなものであってもタンパク質の摂取に貢献してくれます。

缶詰の魚にもタンパク質が含まれているために、食卓にアクセントを加えたいという場合はこのようなものを食べることもできます。また卵にもタンパク質が豊富に含まれています。そのため食事前に空腹を感じたらゆで卵をおやつとして食べることもできます。その他にもチーズやヨーグルトなどの乳製品もお勧めです。

植物性タンパク質

大豆食品

そして植物性タンパク質ですが、何といっても摂取しやすいのが大豆食品です。豆腐や納豆、そして味噌などの大豆食品を積極的に摂取するようにすれば、糖質制限中に起こりやすいタンパク質不足を防ぐことができます。豆腐や納豆といった食材も比較的安価で購入できるために、タンパク質を補うために容易に入手できるはずです。

タンパク質を摂取しつつ、定期的な運動を行うなら筋肉が鍛えられます。そのため運動も行うようにするべきです。激しい運動が苦手であるという人は、ウィーキングや水泳などの運動がお勧めです。これらは体に大きな負担をかけずに行うことができるために、無理なく筋肉を発達させることができます。

実はちょっとした工夫で痩せることも

糖質は単に甘いものだけに含まれているわけではありません。私たちが日ごろから口にする炭水化物にも含まれています。炭水化物は体内で分解されると糖質に変化します。そのためご飯やパン、そして麺類などの食べ過ぎは糖質の過剰摂取をもたらし、肥満を生じさせることがあるのです。そのためこれらの摂取量を減らすだけでも、体内に蓄積された無駄な脂肪を減らすことができます。

たとえばおやつに菓子パンを食べる習慣がある人がいます。この習慣を無くすだけでも体の余分な脂肪が落ちることがあります。菓子パンに使われているパンそのものは炭水化物ですし、その上に乗っているジャムやクリームなどにはたくさんの糖質が含まれています。そのため菓子パンは糖質の過剰摂取を招く食べ物の一つです。

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このようなものを食べないように心がけることで、体に変化が生じるのです。

また炭水化物の摂取量を少なくしても、満足感を得られる方法はいくらでもあります。そもそも糖質制限ダイエットは食べる量を減らす必要はなく、糖質の摂取量だけに注意を払うというものです。そのため冒頭でも触れたように、空腹に耐えられないという状況はほとんど生じません。

しかし炭水化物の摂取量を減らすことでストレスを感じてしまうという人もいます。このような人は細かく切ったこんにゃくをご飯に混ぜるなどして、糖質の摂取量をコントロールすることができます。

また麺類を食べるときは麺の量を減らし、具をたくさん入れることができます。このようにすることで気持ちを紛らわすことができます。野菜炒めなどを麺の上にどさっと乗せると食欲をそそるメニューとなります。野菜は腸内の老廃物の排出を促す作用を有しているために、ダイエットに貢献してくれる素材です。そのためこのようなメニューもお勧めできます。

またスナック菓子も炭水化物でできているものが多いために、こうしたものも食べるのは控えるようにします。スナック菓子を食べられないと口もとが寂しいという人は、ナッツなどを食べることができます。ナッツはスナック菓子のように何となく手が伸びてしまう食べ物です。そのため糖質の少ないナッツ類を間食時に食べるようにすることでも、糖質制限を行うことができます。

もちろんストイックに糖質制限を行う人は、何となく糖質を含む食材の摂取量を減らしているという程度ではありません。そして多くの人のそのような姿勢はダイエットを成功に導いています。しかし更年期に入った女性は感情が浮き沈みすることがあります。このような状況下でストイックに糖質制限を行うならストレスを抱えてしまうでしょう。それでこうした状況を避けたいという人は、上記で述べたような食生活の変化によって少しずつ余分な脂肪を減らしていくことができます。

どのような生活がお勧め?

冒頭で女性ホルモンであるエストロゲンの働きについて少し述べましたが、このホルモンは食欲を抑制する働きも有しています。

そのため更年期に入ってエストロゲンの分泌量が減ると、食欲が増すのです。もちろん食べ過ぎは肥満の原因となりますが、食事の量が多少増えたからと言って急に余分な脂肪が体に蓄積されることはりません。また食欲があっても脂肪を作り出す糖質の摂取量を制限することで肥満を予防できます。

食べる量を極端に増やすことはお勧めできませんが、食べたいと感じたときに糖質の含有量が少ないものや糖質が含まれていないものをつまむことができます。アーモンドやアボカドをおやつに摂取するのも満足度があっておすすめです。

また糖質制限だけに頼らず、他の方法でのダイエットを並行して行うことで太りにくい体を作ることができます。ここでお勧めなのが定期的な運動です。

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運動することによって脂肪が燃焼されます。加えて筋肉を鍛えることができるために、運動は余分な脂肪を落とし、尚且つ見栄えの良い体を作ることに貢献するのです。とりわけ二つ目の項目でも考えたように、糖質制限ダイエットを行っているときはタンパク質を意識して摂取します。そして体に蓄えられたタンパク質は運動することによって筋肉に代えられます。このような理由も相まって、糖質制限ダイエット中には運動することがお勧めなのです。

更年期を迎える年齢になると体力も衰えていることがありますので、いきなり激しい運動を行うことは難しいかもしれません。この点でお勧めなのがウォーキングや水泳です。この点に関しても二つ目の項目で少し触れましたが、ウォーキングと水泳は体に大きな負担をかけずに行える運動です。またどちらも足を使うために足の筋肉が鍛えられます。脚の筋肉は血液を押し出す役割を果たしているために、この筋肉が発達すると血行が良くなります。血行促進は代謝を促し、ダイエット効果を速めます。また筋肉そのものにも脂肪を燃焼させる効果があるために、運動はダイエットに適しているのです。

糖質制限中の筋トレについては「糖質制限と筋トレで痩せる、そして太りにくい体を作る。」でも紹介しています。お時間ある方は確認してみてください。

健康的に、さらには美しい体を作ると言いう目的で糖質制限ダイエットを行う基本は、食事のコントロールと運動です。

しかし更年期を迎える女性はこの二つの他にも「ストレスを軽減させる工夫を凝らす」というプラスアルファが加わります。こうした点を念頭に置き、自分に合った糖質制限ダイエットを行うことが最大のポイントとなるわけです。それで「食欲が旺盛であるために自分にはダイエットは無理である」とか、「性格上自分をコントロールすることが難しいために、計画的なダイエットは不可能である」などと決めつけるのではなく、まずは炭水化物や糖質そのものを含む間食をストップするなどの方法から始めてみることができます。