人はただじっとしていてもエネルギーを消費します。なぜなら生命を維持するために心臓をはじめとする臓器を動かす必要があるからです。そしてこのエネルギーは食べ物によって作られます。

しかし十分な量の食べ物が摂取されなければ、体は蓄積されている脂肪をエネルギーに変換します。ものを食べなければ身体が痩せるのはそのためです。恐らくダイエットを始めようとしている人の多くは食事の量を減らすことによってそれを成功させようと考えることでしょう。確かにこの方法でのダイエットは効果的です。

ただし、極端な食事制限を行うと体が必要としているエネルギーが不足してしまい、体調を崩してしまうことがあります。そのため食事の量を極端に減らすダイエットは、これまで大食いが原因で肥満が生じた人にはお勧めできますが、その他の理由で身体が太ってしまった人にはお勧めできません。

太る

多くの場合、偏った食生活が肥満を生じさせます。そのため何をどのようにして食べるべきかを考慮し、食生活を正すことでダイエットが可能となります。この点で注目すべき栄養素が糖質です。肥満を生じさせる栄養素と聞くと、脂質について思い浮かべるかもしれません。

実のところ、糖質は脂質よりも肥満に大きく関係する栄養素なのです。糖質は甘い食べ物に多く含まれています。そのため甘いお菓子を控えるようにしただけで身体が痩せてきたという人も少なくありません。

しかし糖質は甘い食べ物だけに含まれているわけではありません。たとえばお米の主成分は炭水化物です。これは分解されると糖質となります。そのためお米やパンなどの食べ過ぎは肥満を生じさせることがあるのです。

パンを食べる

最近、ダイエットに効果的な食べ物として蕎麦がクローズアップされています。しかしこの蕎麦にもたくさんの糖質が含まれています。全層粉100グラム対しての糖質は65.3グラムで、内層粉100グラムに対しては糖質は75.8グラム、中層粉100グラムに糖質は67.2グラム、そして表層粉10グラムには糖質が58.0グラム含まれています。もちろん蕎麦を食べ過ぎるなら肥満が生じてしまいます。

しかし適量の蕎麦は肥満予防に効果的なのです。ではその理由について見ていくことにしましょう。

糖質量を知るには蕎麦粉(そばこ)の種類を知ろう

そば粉の種類

まず考慮するべきなのは蕎麦粉の種類です。先にも述べたように、蕎麦粉には全層粉、内層粉、中層粉、そして表層粉があります。言い方違いで内側から1番粉、2番粉、3番粉とも呼ばれています。
その中でも最も糖質が少ないのが表層粉(3番粉)です。

加えてこの蕎麦粉にはたくさんの食物繊維が含まれているために、ゆっくりと消化されていきます。基本的に蕎麦そのものは小麦に比べると消化が遅いために、ダイエットに適しているといわれています。その効果を最も体験できるのが表層粉で作られた蕎麦です。蕎麦を食べるときは表層粉で作られたものを意識してチョイスするなら、ダイエット効果をいち早く見ることができます。

蕎麦屋さんでこの違いを見分けるのは実は簡単。一番粉で作られた蕎麦は更科蕎麦、外側まで使う蕎麦が田舎蕎麦、その中間が藪そば。つまり、田舎蕎麦を注文したほうが良いということなのです。

蕎麦(そば)に含まれる小麦粉の量

十割そば

多くの場合、蕎麦は蕎麦粉に小麦粉を混ぜて作られます。中には小麦粉の割合が非常に多く、うどんに近い蕎麦となっているものもあります。このようなものは小麦粉が素早く消化されるために、ダイエット中には難しいメニューになります。その結果脂肪が作られるようになり、肥満が生じてしまうのです。これを避けるには、蕎麦粉の割合が高いものを食べるべきです。できることならば十割蕎麦と呼ばれる蕎麦粉100%の蕎麦を食べるようにします

そばの栄養は?

ダイエットは痩せることばかりに重きを置いて行うべきことではりません。目的は健康的に痩せることです。そのため冒頭でも述べたように体が必要とする栄養素を摂取しながらも、余分な脂肪を落とすことが必要なのです。では糖質制限ダイエットに効果的な食材である蕎麦には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?

まず注目したいのは先にも考慮した食物繊維です。

食物繊維も重要

これは糖質制限ダイエットのキーポイントとなるものですが、その他にも腸内環境を整えて不要物をスムーズに排出する役割を果たします。また蕎麦にはビタミンB1も豊富に含まれてます。この栄養素は疲労回復に効果があるものです。

そして注目すべき点はこの栄養素が糖質を原料として疲労を和らげたり、体を動かすためのエネルギーを作ることです。糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンB1がダイエット効果をもたらしてくれるのです。

またアンチエイジングに貢献する栄養素も豊富に含まれています。

アンチエイジング効果も

たとえばルチンです。この栄養素は毛細血管を丈夫にする効果を有しています。そのため動脈硬化などの予防に役立つ栄養素です。加えてリチンはポリフェノールの一種であるために、強い抗酸化作用を有しています。老化は細胞の酸化によって促されますが、リチンはそれを遅らせてくれるのです。

またリジンという栄養素も豊富に含まれていますが、これは成長ホルモンを合成したり、体の細胞の修復や成長に関与します。成長ホルモンは体の老化を遅らせる作用を有していますし、細胞の修復能力が高まれば若さを保つことができます。このように蕎麦にはアンチエイジングに貢献する栄養素がたくさん含まれているのです。

また蕎麦を茹でた蕎麦湯にも蕎麦の栄養素がたくさん流れ出ていますので、これを飲むこともお勧めです。

このように蕎麦にはたくさんの栄養素が含まれています。もちろん食べ過ぎは良くありませんし、蕎麦に小麦粉がどれくらい混ざっているかなどを事前に調べることが必要です。

しかし空腹を感じたときにお腹を満たすことができ、それでいて痩せることができるというのは、蕎麦がダイエットに適した食材であることを示しています。

糖質制限ダイエットに効果的な蕎麦で太ってしまう?意外な落とし穴には要注意!

蕎麦には肥満をもたらす糖質が多く含まれていますが、食物繊維を多く含む十割蕎麦はゆっくりと消化されるためにダイエット中にも活用できるメニューです。

そのため空腹を満たすことができるにもかかわらず、肥満をもたらしにくくなっている食材なのです。加えて蕎麦には様々な栄養素が含まれているというわけです。

蕎麦には様々な栄養素

繰り返しになりますが、ビタミンB1は疲労回復や糖質のエネルギー変換に欠かすことができない栄養素です。また毛細血管を丈夫にしてくれるルチンは動脈硬化などの成人病予防に役立ちます。

そしてポリフェノールの一種であるリチンは抗酸化作用をもたらし、老化防止に貢献します。これらの栄養素全ては蕎麦に豊富に含まれています。そのためこの食材はダイエット効果の他にも、病気予防やアンチエイジング効果を有してるのです。

こうしたことを考えると、「蕎麦を食べていればなんとなく安心する」と感じる人がおられるかもしれません。このような考え方は決して間違えではありません。しかし気をつけなければ逆に肥満や不健康という事態に陥りかねません。では健康的に糖質制限ダイエットを行うためには蕎麦をどのようにして食べたらよいのか、この点について見ていくことにしましょう。

蕎麦は食べ合わせに注意

蕎麦そのものには糖質制限ダイエットに役に立つ一面もあります。しかしこれは蕎麦のみを食べたときの話であり、蕎麦と一緒に食べたものが肥満の原因となることがあります。たとえば温かい蕎麦を食べる場合、様々なものをトッピングするのが一般的です。このときにカロリーの高いものをトッピングしてしまうなら、それらが肥満をもたらすことになります。

天ぷらそば

多くの人は温かい蕎麦をイメージするとその上に天ぷらをトッピングした像を思い浮かべることでしょう。しかし天ぷらは油をたくさん用いて作られた料理です。油は体内に取り込まれると分解され、血液を通して様々な部位に運ばれます。その後それらの箇所で脂肪細胞が形成され、肥満がもたらされるのです。

糖質制限で油は摂取しても良いとされていますが、魚の油や、オリーブオイルなどと違い、天ぷらの衣の原材料である小麦粉を揚げて酸化したもの。あまり体にもダイエットにも良いとは言えません。

肥満の多くは糖質の過剰摂取によって引き起こされますが、油っこいものを過剰摂取することによっても引き起こされます。そのため天ぷらをはじめとする油っこいものをトッピングすることは避けるべきです。

しかしトッピングのない蕎麦は非常に寂しいものです。そこで肥満をもたらすことのない食材を用いるように心がけます。たとえばなめこです。なめこには肥満をもたらす栄養素が含まれておらず、不溶性食物繊維が含まれています。それでいて蕎麦にマッチします。なめこと大根を使用した「おろしなめこ蕎麦」などは良く知られているメニューです。これはなめこと大根おろしを蕎麦にトッピングするというもので、さっぱりとした味わいが楽しめます。

おろしなめこ蕎麦

またトッピングだけに限らず、スープにも注意するべきです。スープに使用される調味料には糖質が含まれているために、飲み干すならダイエットを邪魔することになります。そのためスープは残すようにするか、もしくは味付けを薄くするようにします

どちらかというと糖質ダイエットには冷たい蕎麦がお勧めです。このようなものはトッピングとして海苔やネギなど、肥満をもたらすことのない素材をチョイスすることができるからです。しかしこの場合もめんつゆを飲み干すことはお勧めできません。やはりめんつゆにも糖質が含まれているために、ダイエットを妨げる恐れがあるからです。

蕎麦にマッチするトッピングには大切な役割が!

すでに述べたように、蕎麦には糖質制限ダイエットを促すだけではなく、病気や老化を予防するのに必要な栄養素が含まれています。そのためこの食材を摂取することで若さを保ち、美しくなることが可能なのです。

しかし当然のことながら蕎麦に含まれていない栄養素もたくさんあります。そのため蕎麦を主食としてダイエットを試みるのであれば、肥満をもたらす糖質や脂質が少なく、さらに蕎麦には含まれていない栄養を含む食材をトッピングとして用いるべきです。

たとえば先にも触れた海苔やネギにはビタミンAが含まれています。

ビタミンAをトッピング

蕎麦自体にもアンチエイジング効果をもたらす栄養素が含まれていますが、さらなる効果を期待するためにはビタミンAの摂取が必要となります。この栄養素は粘膜系に働きかけ、さらには免疫を高める効果を有しています。加えて肌の新陳代謝を促してコラーゲンを増やし、加齢によるシワやたるみを改善してくれるのです。

このようにビタミンAは健康維持、そして美容促進に大切な栄養素なのです。海苔やネギの他にも、ビタミンAは三つ葉やホウレン草といった食材に多く含まれています。

また食事からは摂取しにくいビタミンCですが、蕎麦と一緒に食べられている食材の中にはこの栄養素が含まれているものもあります。

たとえばとろろ昆布です。この食材には食物繊維も多く含まれているために、腸内の不要物をスムーズに排出するのを助けてくれます。また水分を吸収して膨らむために、満腹感を与えてくれます。こうした理由ゆえに、とろろ昆布はダイエットに適した食材なのです。

その他にも爽やかな冷やし蕎麦を食すのであれば、カイワレ大根やわかめなどをトッピングすることができます。これらの食材にもビタミンCが豊富に含まれていますので、栄養バランスを考えたヘルシーな蕎麦料理にもってこいです。

また温かい蕎麦にマッチする食材として、ニシン、シラス、そして干しシイタケなどを挙げることができますが、これらにはビタミンDが豊富に含まれています。このビタミンDは肝臓や腎臓といった臓器の働きを促す作用を有してます

ビタミンDを意識した蕎麦

またビタミンA同様、アンチエイジング効果のある栄養素がビタミンEです。この栄養素が特化している点は抗酸化作用です。老化は細胞の酸化によって生じますが、それを遅らせてくれるのがビタミンEなのです。この栄養素を含み、尚且つ蕎麦のトッピングとして用いることのできる食材は大根の葉やエビなどです。

また蕎麦を食べながらガッツリとタンパク質を摂取したいという人は、脂質や糖質の少ない鶏肉や魚がお勧めです。

物足りないと思っても大丈夫です

しかしトッピングや一緒に食べる食材に注意しなければなりません。

なぜならそれらの食材に肥満をもたらす栄養素がたくさん含まれているなら、せっかく蕎麦を食べても意味がないからです。しかし蕎麦だけを食べることに物足りなさを感じる人も大勢います。特に男性の場合、三度の食事のうちの一食を蕎麦だけにするような食生活は我慢できないかもしれません。

しかし上記で考慮したようにダイエット効果を促す食材はたくさん存在し、尚且つその中には蕎麦にマッチするものがたくさんあります。そのようなものを蕎麦と一緒に食すようにすれば、食事を美味しく取りながらもダイエットを行うことができるのです。蕎麦を使ったダイエットメニューはたくさん存在します。

たとえば蕎麦の上に豆腐、納豆、そしてキムチをのせ、その上に刻み海苔をのせたメニューなどはお腹を満たしてくれますし、美味しく食べることができます。

また冷たい蕎麦に鶏肉、大根おろし、そして大葉を刻んだものをのせてめんつゆを少したらして食べるメニューは暑い夏にぴったりです。このようにボリュームがあり、美味しく食べることのできる蕎麦料理はたくさんありますので、このようなメニューで楽しくダイエットを行うことができます。

以上、蕎麦について糖質量からダイエットへの活用の仕方までをまとめてみました。
なんだかんだ蕎麦はやっぱり美味しいです。旅行に行ったときなどもその土地の蕎麦を楽しむなど、日本人には切っても切れない存在です。

糖質量が多いから駄目!という事ではなく、きちんと知ることで楽しんでいきたいですね。

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