糖質制限に興味のある人の中には、ケトン体ダイエットという言葉に聞き覚えがある人も多いかもしれません。同じく糖質の摂取量を制限するものではありますが、厳密には違うものとされています。(→ケトン体とは?)

ケトン体ダイエットとは?

白米

ケトン体ダイエット(考案者であるロバート・アトキンス氏の名前から、アトキンス式ダイエットと言われることもあります)とは、大まかには次のようなものとされています。
まず、ダイエット開始からおよそ二週間の間、炭水化物の摂取量を極端に減らします。その後、体重の増減や体調などを確認しながら、少しずつ炭水化物の摂取量を増やしていくというものです。
長期間にわたって、漠然とした量の炭水化物の摂取を減らす糖質制限とは、違うものだと言われています。

ケトン体ダイエットの仕組み

炭水化物の摂取量を極端に減らすと、体のエネルギー源となる糖分が不足します。すると脂肪が分解され、代わりのエネルギー源として使われるようになります。このときに生成されるのが「ケトン体」で、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という、三つの物質の総称とされています。

ダイエット開始からおよそ二週間の一日の炭水化物の摂取量は、一日の摂取カロリーの5%に抑える必要があると言われています。
たとえば一日の摂取カロリーが2000kcalであれば、炭水化物の摂取量を100kcalまで減らすことになります。
この制限を続けることで、血中に正常値を超える量のケトン体が存在する「ケトーシス」という状態になり、脂肪がエネルギー源として分解されるようになると言われています。
この制限を守るためには、主食だけでなく、野菜や果物、調味料などに含まれる糖質に至るまで、注意を払う必要があるようです。

ケトン体ダイエットの注意点や危険

なお、ケトン体がたくさん作られると、それを排出しようとする働きが活発になるので、脱水症状にならないよう、水分補給を多めにする必要があると言われています。
また、筋肉が落ちないように、適度に運動をした方がいいという意見もあるようです。

非常に効果が大きいと言われるケトン体ダイエットですが、一方で副作用を心配する声もあるようです。
まず、炭水化物が不足してからケトーシスになるまでの間には、頭がぼーっとしたり、頭痛や下痢などを起こしたりするなど、低炭水化物による副作用が出る可能性があると言われています。
また、ケトン体が多くなることによって、口臭や体臭などがきつくなる場合もあるようです。仕事などで他人と接する機会の多い人などは、特にこの臭いが気になってしまうかもしれません。
また、ケトーシスを長く続けること自体、あまりおすすめできないと言われることもあります。そもそもこの状態は、食べ物がなく、飢餓状態に陥った時に、体が非常手段としてとるものだと言われているのです。そのような状態を、あまりに長期間維持するというのは危険ではないか、という意見もあるようです。
大昔、人間が不安定な狩猟生活を行っていた頃は、何日も満足に食事を摂れないことは、決して珍しいことではなかったでしょう。そのような場合にも、すぐに動けなくなってしまわないよう、身体に備わっている仕組みであると考えられているようです。ちなみに、食料が安定して確保できる現代の日本のような状況であっても、つわりのために食事をとれない妊婦さんなどには、ケトーシスになるケースが見られるそうです。

無理の無い範囲でのダイエットなら別の方法を

加えて、このように炭水化物の摂取量を厳しく制限するということは、決して簡単なことではありません。
主食を抜くだけならまだしも、野菜などの食材や調味料にまで注意する必要があります。炭水化物を含む食品を摂らないことで、他の栄養が偏ったり、脂質などを多く摂りすぎてしまったりすることも考えられます。
また、すべての食事を自炊している場合はまだしも、外食をする必要がある時には、この制限を守ることはより難しくなるでしょう。
加えて、「厳しい制限をしなければならない」ということ自体も、強いストレスになる可能性があります。
特に健康状態に不安のある人は、ケトン体ダイエットを始める際には、医師などに相談する必要があるでしょう。

人によっては、短期間で大きな効果を得られる方法と言われるケトン体ダイエットですが、一方で実行するためのハードルが高く、副作用などを心配する意見も聞かれます。
体への負担や手間などを考えれば、長期に渡って糖質の摂取量を減らす糖質制限の方が、実行しやすいかもしれません。
いずれにせよ、体に不調が出てきているのにも関わらず、無理をしてダイエットをすることは、控えた方がいいでしょう。

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