痩せたいけど、なかなか痩せれない…という方の中には、「芋が好き!」という方も多いのではないでしょうか。少し太めの芸能人でいうと、〇〇〇・デラックスさんとかも、芋好きで有名ですよね。
芋は野菜のようですが、やはり主食。ご飯やラーメンと同じ炭水化物、「デンプン」です。やはり「芋」は糖質制限に向かない野菜ということですね。そんな芋のなかでも、糖質がほとんどないものがあるのです。
菊芋の効果は?食べ方やレシピも知ってダイエットに活用!
そもそも、糖質制限中に芋は食べて良いのでしょうか?
低糖質・低GIで、食物繊維を含むものが多く、糖質制限中は積極的に摂った方がいいと言われる野菜類。しかし中には高糖質・高GIのため、避けた方がいいと言われるものもあります。その筆頭といえば、やはりジャガイモなどの「芋」でしょう。
芋やサツマイモ、サトイモなどには、デンプンが豊富に含まれています。デンプンは糖質の一種であり、イモを食べると糖質をたくさん摂取してしまうということになります。(芋の糖質量を見る)
特にこの中で注意しなければいけない食べ物がサツマイモです。甘くてお菓子等にもよく使用されるサツマイモは糖質が高くたくさん摂取してしまうと糖質制限の意味がなくなります。またジャガイモは中くらいの大きさの物を2個使用するともうパン等の主食の糖質量と変わらないだけの糖質を摂取していることになります。
煮物や炒め物、フライドポテトや焼き芋など、イモ類を使ったおいしい食べ物はたくさんありますが、糖質制限をする際には、残念ながら控えた方がいい食材だと言えるでしょう。
糖質制限におすすめの菊芋とは?
糖質制限に向いていないと言われるイモ類ですが、「菊芋」という野菜については、糖質制限にぴったりだと言われています。
菊芋は名前に「芋」と入ってはいるものの、キク科の植物で、イモではなくゴボウなどの仲間とされています。北アメリカ原産の野菜で、日本には江戸時代末期から明治時代初期に、飼料用作物として導入されたと言われています。
また第二次世界大戦後の食糧難の際、「作付統制野菜」に指定され、食用として広まったと言われています。菊芋は9月から10月にかけて黄色い花を咲かせ、旬は11月から3月頃までとされているようです。食用とされる地下茎は、一見ショウガのようだと思われるかもしれません。
日本では近年注目されるようになりましたが、ヨーロッパではすでに菊芋の研究がどんどん進んでいて機能性食品でも活用されています。
菊芋は、スーパーやレストランなどで見かけることが多いとは決して言えず、一般にはあまり知られていない野菜かもしれません。
しかし近年、糖質制限やダイエットに適した野菜として、注目が高まっているようです。この菊芋には、イモの主成分とされるデンプンがほとんど含まれておらず、そのため低糖質・低カロリーだと言われているのです。
イモの仲間ではないとされている菊芋ですが、よく火を通すと「ホクホク」といった食べごたえになるようです。なお、生の状態では「シャキシャキ」といった感じなのだとか。
好きなイモ類を糖質制限のために食べることができないという人も、菊芋を食べることで、イモ特有の「ホクホク」を味わうことができるかもしれません。
菊芋の主成分・イヌリンとは?
デンプンをほとんど含んでいないとすれば、菊芋の主成分はいったい何なのでしょうか?
菊芋の主成分は、「イヌリン」という多糖類だとされています。多糖類は糖質のひとつとされ、ブドウ糖や果糖などの「単糖類」が10個以上結合したものの総称だと言われています。なお、デンプンなどがこの多糖類にあたるとされています。
イヌリンは、人間にとって分解しにくい成分だと言われており、イヌリンを含む食品を食べても、ほとんど吸収されずに排出されてしまうとされています。そのため、イヌリンは水溶性食物繊維に分類されると言われています。イヌリンは血糖値をあげる働きも抑えてくれるので欧米ではもうずっと昔から糖尿病患者のご飯等に使用されています。
海藻類などにも含まれている水溶性食物繊維には、糖の吸収を抑え、血糖値が急激に上がるのを防ぐ働きがあるとされています。水分を吸収するとゲル状になり、糖などを包み込むため、このような効果が期待できるようです。
糖質の一種でありながら身体に吸収されず、しかも血糖値の上昇を防ぐというイヌリンの働きは、糖質制限をしている人にとっては、注目に値するものだと言えるでしょう。イヌリンや、イヌリンを豊富に含む菊芋を指して、「天然のインスリン」と呼ぶこともあるようです。
また、イヌリンは腸内で分解されて、ビフィズス菌などの善玉菌の餌になると言われています。そのため、善玉菌を増やす効果も期待できるようです。
よくビタミンC等の良い栄養素は熱に弱いという特徴を持っているものが多いのをご存知でしょうか。加熱するとせっかくの栄養素が失われてしまう…。イヌリンはどうでしょう。イヌリンは加熱したくらいでは栄養が壊れることはありません。逆に加熱することで必要な栄養素が失われるのではなく癌や老化の防止に役に立つポリフェノールが増加するのです。
菊芋意外にイヌリンが摂取できる野菜とは?
イヌリンを含んでいる食品は、菊芋だけではありません。
イヌリンは、キク科やユリ科の植物などに含まれているとされ、野菜の中では、チコリやニラ、小麦、タマネギ、ゴボウなどから摂取することができると言われています。
しかし、これらの野菜に比べると、菊芋のイヌリンの含有量は一際多いとされています。例えば100gあたりに含まれる菊芋のイヌリン量は20g前後。しかしその次にイヌリン量が多いチコリは0.7gしかありません。ニラや玉ねぎにも0.4gか0.3gしか含まれていないのを見ると野菜からイヌリンを摂ろうとする場合は、やはり菊芋を食べるのが効率がよさそうです。
ただし菊芋も300g以上食べてしまうと血糖値が上がって糖質制限の意味がなくなってしまいます。300gも食べる人はなかなかいないと思いますが、食べ過ぎないように気をつけましょう。
菊芋に含まれるその他の栄養素
菊芋に含まれる栄養素は、イヌリンだけではありません。
この他にも各種ビタミンやミネラル、必須アミノ酸などを含んでおり、栄養価の高い食品だと言われることも少なくないようです。
特に豊富に含まれていると言われているのが、カリウムです。
カリウムには、ナトリウム(塩分)を体外に排泄する働きがあるとされています。そのため、高血圧などの予防に効果があると言われています。
なお、味噌や醤油など、塩分を多く含む調味料を利用することが多い日本人は、塩分過多になりやすいと言われています。菊芋に含まれるミネラルには、このほか、カルシウムやマグネシウムなどがあるようです。
また菊芋には、各種ビタミンも含まれているとされています。
糖質をエネルギーに変えるために欠かせないとされるビタミンB1や、ビタミンC、ナイアシンなどが含まれていると言われています。
菊芋のレシピ、食べ方は?
菊芋は油と相性がいいと言われ、炒め物などにして食べられることが多いようです。しかし、天ぷらやきんぴら、フライドポテトなど、油を使った料理だけでなく、ポタージュや煮物などとして食べられることもあるようです。
また、火を通すだけでなく、サラダや和え物にして、生で食べるという方法も見られます。なお、菊芋を長期保存したい場合には、洗わずに土に埋めておくといいと言われています。
菊芋を長期保存しない場合も土をつけたまま冷蔵を行うようにしてください。菊芋に含まれているイヌリンは土を洗い流してしまうとどんどん減少していきます。調理する直前に洗って食べましょう。
ただ、春になると発芽してしまうので、春を越えて保存したい場合は、皮をむいて冷凍するなど、別の方法をとった方がいいようです。
インターネット上には、菊芋を利用した多彩なレシピが公開されています。利用法が幅広く、レシピを変えることによって色々な食べ方を楽しめそうです。
菊芋は皮が非常に薄いので土を除いただけでも食べることができますよ。気になる人は金のタワシでゴシゴシこすってください。
ちなみに良い菊芋を選ぶ選び方を紹介します。見た目はしょうがにそっくりなのですが栄養を蓄えているのは丸くて太っているものです。また菊芋は鮮度が落ちるのが早い食べ物でもあります。乾燥するとしなびて柔らかくなってきます。触ってみて実が固く締まっている物を選ぶようにすると良いですよ。
菊芋の簡単レシピ
菊芋の素揚げ:ざく切りして素揚げして塩をふるだけ!ちょっとしたおつまみにもなります。
菊芋のバター炒め:菊芋をざく切りしてバターで炒めるだけ。醤油をたらして完成!七味をかけても良いですね。また菊芋をまるごとバターをつけてオーブンで焼いてもホクホクしていて美味しいですよ。
菊芋のサラダ:菊芋を生のままスライスか千切り。サラダに混ぜて食べます。生のままだとしゃきしゃきしていて美味しいですよ。
菊芋のポテサラ風:菊芋を塩茹でして、つぶしてマヨネーズと合えて完成。ハムやキュウリを混ぜて完成。
少し難しいメニューだと、菊芋のポタージュスープもとっても美味しいです。また煮物や味噌汁に入れて手軽に食べることもできます。煮物にした場合は他の栄養素が熱を加える事で汁に流れてしまっている可能性もあるため煮汁ごと食べることをお勧めします。最近ではインターネット等でも色々なレシピが載っています。色々試してみて下さいね。
菊芋を使った健康食品も
料理に使用されるだけではなく、菊芋を原料として作られた健康食品やサプリメントなどの製品も、数多く開発されているようです。
食品に含まれる栄養素は、サプリメントだけに頼らず、なるべく食事から摂った方がいいと言われています。
しかし、菊芋をスーパーなどで見かけるのは、なかなか珍しいことのようです。手軽にイヌリンなどの栄養素を摂取できる、これらの製品のニーズがあるのは、自然なことかもしれません。
自分で栽培も出来る菊芋!
菊芋は、大きな畑などがなくても、自家栽培ができるようです。
地域によっても違うようですが、だいたい4月頃に種イモを植えるとされています。背が高くなるので、支柱を立てて縛ったり、間引きをした方がいいと言われていますが、生命力の強い植物なので、あまり育てるのが難しいものではないようです。
また、ある程度の深さがあれば、プランターでも育てることができるようです。菜園に使えるような土地がない場合も、栽培することができそうです。
近年注目されることが増えたといわれる菊芋ですが、それでもお店で購入できる機会は、まだなかなかないようです。
しかし自分で育てれば、収穫の時期には、新鮮な菊芋を手に入れることができるでしょう。
ただし、菊芋は生命力が非常に強く、菊芋以外の野菜などに影響を及ぼしてしまうこともあると言われています。周囲に他の作物があると、栄養分を吸収してしまうようです。
また、きちんと収穫しないと、畑全体が菊芋に占領されてしまうということもあるようです。
その繁殖力の強さから、菊芋は在来種を駆逐するおそれがあるとして、外来生物法により「要注意外来生物」に指定されているほどです。
また、一度植えるとその土の栄養分を吸収してしまうため、連作には適していないと言われています。もしも同じ場所で何度も育てたい場合には、堆肥を使う必要があるようです。
菊芋を自家栽培する際には、あまり手がかからないからと言ってむやみに植えるようなことはせず、他の植物や土など、周囲の環境への影響を考慮する必要がありそうです。
菊芋の注意点「過度な効果は期待しない」
様々な健康効果が期待され、前述のように「天然のインスリン」と呼ばれることもある菊芋ですが、とはいえ「まったく血糖値を上げない」というわけではないようです。確かに血糖値を上げにくい食品ではあるようですが、だからと言って、「菊芋を食べれば血糖値は上がらない」などといった期待はしない方がよさそうです。
もしくは、パウダー状になっている製品などをサプリメント、補助食品として摂取するのが良いと思います。
また、油と相性のいい菊芋は、調理の過程でカロリーが高くなってしまうことも考えられます。
いくら菊芋自体が低カロリーでも、食べ過ぎには気を付けた方がいいでしょう。
菊芋に限らず、いくら身体にいいとされる食品でも、それだけ食べていれば万事オッケー、などということはないでしょう。
健康でキレイに痩せるためには、特定の食品の効果に頼らず、あくまでバランスのとれた食生活をすることが、もっともいい方法なのかもしれません。