ダイエット中は遠慮しがちなパン。糖質も高く、血糖値の上昇スピードであるGI値も高めです。
ブランパンの「ブラン」は、小麦の表皮のことです。小麦は胚乳と胚芽、表皮からできています。一般的なパンには、小麦全体のおよそ八割を占める胚乳から作られる小麦粉が使われていますが、ブランパンには小麦の表皮が使われています。
小麦の表皮のことを「ふすま」とも呼ぶので、「ふすまパン」と呼ばれることも多いようです。
低糖質のブランパン。糖質量や栄養をチェック!
ちなみに、小麦の胚乳、表皮、胚芽をすべて粉にした「全粒粉」を使ったパンにも、小麦の表皮が入っていることになります。このようなパンを「ブランパン」と呼ぶこともあるようですが、「全粒粉パン」と呼ばれることが多いようです。
名称 | 糖質量(100gあたり) |
---|---|
小麦粉 | 約70g |
ふすま粉(ブラン) | 約10g |
また、小麦の表皮ではなく、胚芽が入っているパンもあり、「胚芽パン」として販売されています。小麦の2%ほどしかないと言われる胚芽は、様々な栄養素を豊富に含んでいると言われ、小麦胚芽だけで健康食品として扱われることもあるようです。
ブランパンは糖質制限向き?
糖質制限をしている人は、パンはなるべく食べないようにしているのではないでしょうか?一般的な食パンなどのパンは、高糖質・高GIとされ、糖質制限時には控えた方がいいと言われることが多いようです。
ところがブランパンは、一般的なパンに比べて糖質が低く、糖質制限をしている人でも食べられる、と言われることもよくあります。ちなみに糖質だけでなく、食後血糖値の上昇の度合いを表すGI値も普通のパンより低いとされています。
パン(100g) | 糖質量 | 食物繊維 | カロリー |
---|---|---|---|
ふすまパン | 4g | 15g | 200kcal |
普通のパン | 40g | 2.5g | 260kcal |
また、ブランパンは低糖質なだけでなく、カロリーも普通のパンより低いと言われています。糖質制限だけでなく、カロリー制限によってダイエットをしている人にとっても、嬉しい食品だと言えるでしょう。
ブランパンを試したことが無い人はAmazon・楽天でも安く買えるようになっていますのでまずは食べてみることをおすすめします!
ブランパンの豊富な栄養素!
ブランパンの良さは、低糖質・低カロリーなことだけに留まりません。一般的なパンからは摂取することができない栄養素を摂ることができるのも、ブランパンの大きな魅力だと言えるでしょう。
特に食物繊維は、ブランパンに豊富に含まれていると言われています。身体に吸収されないため、以前は栄養素として重要視されていなかったと言われている食物繊維ですが、現在では様々な健康効果が認められ、身体にとって必要な栄養素であると位置づけられているようです。
ブランパンは不溶性食物繊維が豊富!
食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」がありますが、小麦の表皮に多く含まれるのは、不溶性食物繊維です。
不溶性食物繊維は、多くの野菜や豆類などに含ま
れていると言われ、腸を刺激して蠕動運動を活発にし、お通じを整える働きがあるとされています。
また便のかさを増すことで、排泄をスムーズにするとも言われています。加えて、善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果もあるようです。食べるためによく噛む必要があるので、食べ過ぎを防止し、あごの発育にもいいとされています。
食物繊維だけじゃない!豊富な栄養素!
食物繊維に加えて、ブランパンからは人体に必要なミネラルも摂取できると言われています。小麦の表皮に含まれているミネラルとしては、カルシウムやマグネシウム、鉄分、亜鉛などが挙げられます。
カルシウムやマグネシウムは、骨や歯を作るために欠かせない栄養素だと言われています。カルシウムは乳製品や骨まで食べる魚などに、マグネシウムは納豆や油揚げといった大豆製品などに多く含まれているとされています。これらが不足すると、骨粗しょう症などになる可能性が高まると言われています。
鉄分は赤血球などを作る成分とされており、レバーやヒジキ、ほうれんそうなどに多く含まれていると言われています。特に月経のある女性は、この鉄分が不足してしまうことが多いとされ、足りなくなると貧血などの症状が出るとされています。
亜鉛は、カキやチーズ、卵黄などに含まれると言われ、タンパク質の合成などに必要な栄養素とされています。亜鉛不足は、味覚障害や免疫機能の低下などの原因となると言われています。
小麦の表皮に含まれる栄養素の中には、現代の日本人の食生活において不足しがちだとされるものも多く含まれているのですね。
サプリメントで足りない栄養素を補うこともできますが、必要な栄養素は基本的には食事から摂り、サプリメントはあくまで補助的に使うのが望ましいと言われています。ブランパンは、栄養不足を補うという点においても、役に立つ食品かもしれません。
そもそも普通の小麦粉って?
以上のように、ブランパンには普通のパンにはない特徴が多く見られます。どちらのパンも同じ小麦からできているのに、ずいぶんと違いがあるように感じられるかもしれませんが、それぞれの原料となる小麦の表皮と胚乳とでは、含まれている成分が大きく違うようです。
そもそも、一般的な小麦粉に使用されている小麦の胚乳には、どのようなものが含まれているのでしょうか?
胚乳の主成分は、糖質(デンプン)とタンパク質とされ、この他にも脂質やミネラル、ビタミンなどが含まれていると言われています。なお、粒の中心部分と外側では、成分の含有量に差があるようです。
ちなみに、小麦粉に水を入れてこねると、粘りや弾力が出てきますが、これは小麦独自のタンパク質であるグルテンの働きによるものとされています。小麦粉には、強力粉・中力粉・薄力粉の種類がありますが、グルテンの量や質によって分けられていると言われています。
一方で小麦の表皮に多く含まれているのは、食物繊維やミネラルだとされています。この他、ビタミンなども含まれていると言われています。このような成分の差が、普通のパンとブランパンの違いにつながっていると言えるでしょう。
パン以外にも使われている小麦の表皮
小麦の表皮が使われている食品は、ブランパンだけではありません。
まず、クッキーやビスケット、ケーキなどのお菓子に使用されることがよくあるようです。
お店などで売られているお菓子にも、小麦の表皮を使ったものがありますが、自分で作るためのレシピも数多く公開されています。小麦粉だけを使って作られたお菓子に比べれば、低糖質・低カロリーになりとってもヘルシーです。
また、グラノーラなどのシリアルに使用されていることもあるようです。
牛乳のほか、ヨーグルトをかけてもおいしいようですが、砂糖やハチミツなどをかけ過ぎると糖質量が増えてしまうので、そのような甘味料の使い過ぎには注意した方がいいでしょう。
ブランパンの購入場所と発売されている種類
ブランパンはどこで買えるの?
ブランパンなんて、あまりお店で見かけたことがないんだけど…という人も、いるかもしれません。
ところが昨今では、一部のコンビニエンスストアでもブランパンが発売され、支持を集めているようです。また、手近にブランパンを売っているお店がないという人は、ネットショッピングなどで注文してみてはいかがでしょうか?
糖質制限をしている人に向けた低糖質の食品を主に販売している糖質制限専門ショップの中には、むしろネットショップしかない、というところも少なくないようです。専門店ならではの、質のいいブランパンを購入できるでしょう。
「ブランパン」なら何でも同じ?
一口に「ブランパン」と言っても、やはり製造しているところによって、その内容は様々です。
糖質量を大きく抑え、通常のパンと比べて90%以上をカットしている商品もあれば、普通のパンよりはかなり低いけれども、そこそこ糖質を含んでいる、というものもあるようです。
ダイエットのために糖質制限をしている人からは、広く支持されているような商品であっても、糖尿病などのために厳しく糖質の摂取量を制限している人にとっては、糖質が多すぎるということもあるようです。
パッケージに「ブランパン」や「糖質オフ」の文字があっても、成分表示を見てから購入した方がいいでしょう。また、「糖質オフだから」と油断して食べ過ぎるのもよくないでしょう。
なお成分だけでなく、味も商品によって違いがあるようなので、色々なお店のブランパンを試してみると、その違いを楽しめるかもしれません。
ブランパンにも弱点が?味を比べて美味しいものを!
低糖質・低カロリーで、しかも栄養豊富と、いいことずくめに思えるブランパンですが、普通のパンと比べると、マイナスになってしまうポイントもあるようです。
よく聞かれる意見が「味が苦手」というもの。ブランパンには独特の風味があるため、この風味があまり得意でない人にとっては、なかなか食生活に取り入れにくい食品のようです。
一度食べて「合わないな」と思った人は、別のお店の商品にチャレンジしてみるといいかもしれません。前述の通り、同じ「ブランパン」であっても、お店によって結構味が違う、という意見が見られます。色々な商品の中には、自分好みのブランパンがあるかもしれません。
またブランパンは、普通のパンに比べると、若干値段が高いものが多いようです。
小麦のふすまは、小麦全体の約15%しかないとされています。加えて、おいしく食べるための特別な加工など、手間がかかるとも言われています。
やはり多少コストがかさんでしまうのは、致し方ないことかもしれません。
ブランパンのまとめ
長々とブランパンについて書いてきましたが、最後にポイントだけまとめておきたいと思います。
- 低糖質、低GIで糖質制限中に利用できるパン
- 多く含まれている不溶性食物繊維は腸の活動を整えてくれる
- カルシウム、マグネシウム、ビタミンなど栄養も豊富
- 今ではコンビニでも手に入るお手軽さ
- ネット通販で安く買いだめも出来る
最重要ポイントは上記5つですね。少しだけ値段は高く付きますが、糖質制限中にパンを食べたくなったら頼るほかないでしょう。また、有益な情報、面白い情報があったら追記していきたいと思います。