エストロゲンは女性ホルモンのひとつで、女性らしい体を作る働きのある重要なホルモンです。加齢とともに、エストロゲンの分泌量は減っていくと言われています。
エストロゲンが体にもたらすメリットとしてはまず、美肌や髪がきれいになるなど、美容に関する効果を耳にしたことのある人が多いのではないでしょうか。正常なエストロゲンの分泌は、このほかにも生理の周期を規則的にしたり、自律神経を安定させるなどの効果をもたらすと言われています。
また女性の更年期に、急激に減少したエストロゲンを補うことで、更年期障害による様々な症状を緩和することができるとも言われています。
一見、女性にとっては必要なものという事でエストロゲン「過剰」と言われるとどういう事って感じですよね?
糖質制限中にはちょっと気をつけたほうが良いという事で今回は、エストロゲン過剰について見ていきましょう。
ダイエット中は注意!エストロゲン過剰に気をつけよう!
必要不可欠そうなエストロゲン。しかしエストロゲンは、多ければ多いほどいい、というものではありません。多すぎるエストロゲンは、体にとってよくない影響を与えると言われているのです。
エストロゲン過剰が引き起こす問題
エストロゲンの過剰分泌は、PMS(月経前症候群。頭痛やイライラなど、生理の前に心身に起こる様々な不調のこと)や無排卵、偏頭痛、生理痛の悪化など、色々な症状の原因になると言われています。
また、乳がんや子宮がん、子宮筋腫などのリスクも高くなると言われています。
エストロゲン過剰は、エストロゲンの過剰分泌を防ぐとされるメラトニンの分泌がきちんと行われなかったり、エストロゲンに似た作用を持つ環境ホルモンを吸収したりすることで、引き起こされるとされています。
また、エストロゲンを代謝する肝臓が疲れていると、代謝が上手くできず、やはりエストロゲン過剰になってしまうことがあるようです。
糖質制限とエストロゲン過剰
糖質制限をしている人は、食品によってエストロゲン過剰のような状態にならないかが、心配のひとつかもしれません。糖質制限をしていると、大豆食品を食べる機会が増える人が多いようです。
糖質制限中は、タンパク質をしっかり摂る必要があると言われています。タンパク質を摂らないと筋肉量が落ちてしまい、リバウンドしやすい体になってしまうと言われているのです。タンパク質は、肉や魚などに豊富に含まれていますが、肉などをたくさん食べていると、どうしてもカロリーやコレステロールの摂取量が多くなりがちです。そこで、植物性タンパク質を豊富に含み、かつ低カロリー・低糖質な大豆食品を食べる機会が増えてくるようです。
加えて比較的安価である点も、食生活に取り入れやすい要素だと言えるでしょう。
糖質制限では主食を減らす分、おかずを食べる量が増えるので、食費がかさむケースも少なくないようです。
また、豆腐や納豆などのよく見かける大豆食品のほか、たとえば小麦粉の代わりに大豆粉を使ったパンなどの食品なども、糖質制限専門のショップなどで販売されているようです。
大豆を材料とする食品と糖質制限とは、関わりが深いものだと言えるでしょう。
さて、大豆には大豆イソフラボンという成分が含まれています。この大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをすると言われています。
そのため、様々な健康効果が期待される一方で、摂り過ぎに注意が必要であるという声も聞かれます。
大豆イソフラボンの過剰摂取でエストロゲン過剰に?
大豆食品をたくさん食べることによって、大豆イソフラボンを摂り過ぎてしまい、エストロゲン過剰のような状態になってしまうことはあるのでしょうか?
食品安全委員会によれば、大豆イソフラボンについて、安全と考えられる一日の摂取目安量の上限値は、70~75mgとされているようです。
また、サプリメントなどから摂取する場合は、30mgまでに留めておいた方がいいと言われています。
大豆イソフラボンの過剰摂取は、ホルモンバランスを崩すなどのおそれがあると考えられているようです。
しかし、日本人が日常的に、食品から摂取する大豆イソフラボンの量は、16~22mgほどと言われています。大豆食品の食べ過ぎによって、大豆イソフラボンの過剰摂取を起こす心配は、あまりしなくてもいいようです。
大豆食品は、栄養豊富でヘルシーな食品だと言われています。大豆イソフラボンの摂り過ぎを恐れて食べないようにするのは、むしろもったいないことのようです。
過剰摂取に注意が必要な場合も
糖質制限ダイエットのため、豆腐や納豆などの大豆食品を食べる機会が増えたという場合は、大豆イソフラボンの摂り過ぎによる悪影響は、あまり気にしなくていいと考えられるでしょう。
ただし、サプリメントや健康食品などを使っている場合は、過剰摂取に気を付けた方がいいと言われています。
大豆イソフラボンを摂りたいと考えている人は、できるだけ豆腐や納豆などの大豆食品から摂るようにした方がいいでしょう。
また、妊婦や小さい子供などについては、日常的な食事に上乗せして、サプリメントなどから大豆イソフラボンを摂ることは勧められないとも言われています。
血糖値とエストロゲン
ちなみに、糖質制限ダイエットをする上で血糖値は重要なキーワードとなっていますが、エストロゲンと血糖値とは、いくつか関係があるとされています。
エストロゲンは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを効きやすくすると言われています。
エストロゲンにはインスリン感受性を高める働きがあり、血糖値を下げやすくすると言われているのです。
また、「糖質をとりたがる」こととエストロゲンとも、関係があると言われています。
女性の体は一般的に、男性よりも筋肉が少なく、皮下脂肪が多くなっています。
体の中で赤ちゃんを育てるため、子宮の温度を保ったり、非常時のためにエネルギーを蓄えたりする必要があり、このような仕組みになっているようです。
そこで、皮下脂肪の多い体を維持するために、体が糖質を摂取したがるようになっていると言われているのです。
エストロゲンがあると、血糖値が上がった時に分泌されるβエンドルフィンという快感物質が出やすくなると言われています。甘いものを食べて幸福感を感じるのは、このような働きが関係しているようです。
逆に言えば、男性よりも女性の方が糖質を我慢するのが難しく、糖質制限ダイエットを断念しやすいということになるかもしれません。
極端なダイエットなどをしたり、食べものが偏らなければ問題ないとも言えるエストロゲン過剰ですが、サプリメントなどを摂取している方は、一度食生活を見直してみると良いでしょう!
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