「キヌア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

実は、ダイエットにぴったりで栄養満点のスーパー食材なのです。そもそもキヌアとは何か、どこがすごいのか、まとめてみましたので参考にしてみてくださいね。

キヌア

キヌアとは?低糖質で栄養豊富なスーパーフード!

キヌアはヒユ科の植物で、南米のアンデス山脈一帯が原産地とされています。古くから重要な作物として栽培され、インカ帝国の人々の間では、主食とされていたそうです。

キヌアとは

しかしスペインに征服されてから後、キヌアはほとんど栽培されなくなってしまったと言われています。ところが昨今、その栄養素の高さなどから、キヌアはアメリカやヨーロッパ諸国など、様々な国で注目されているようです。

有名なNASAも21世紀の大事な主食であると高い評価をしていてキヌアを使用できないか研究を始めています。テレビ番組ではモデルのミランダカーさんが愛用していると紹介され一気に注目を集めました。

なおキヌアは、雑穀として扱われることも多いようですが、正確には穀物ではなく、疑似穀物という分類になるようです。ホウレンソウやトンブリ、アマランサスなどの仲間とされています。
様々な品種があり、それによって白や黒、赤などと色が違います。プチプチとした食感で、味は若干お米に似たような甘みがありますが少し癖のある香りがするようです。

なお、キヌアの葉も野菜として食べることができ、ホウレンソウに似た味わいだと言われています。南米では食べられているようですが、日本国内ではなかなか入手が難しいようです。

キヌアと糖質制限

前述の通り、主食としても食べられてきたキヌアですが、比較的低糖質でかつ低GIであるため、糖質制限に適した食材ではないか、と言われています。

白米に比べると、キヌアに含まれる糖質量は約3/4。低糖質とは言っても、決して糖質ゼロではありませんので、厳しく糖質量を制限している人にとっては、やはり摂取を控えたい食品となってしまうかもしれません。

しかし糖質を見ると白米が100gあたり76gに対してキヌアは63g程度しかありません。この量は小麦や白米よりもずっと低いだけでなく、糖質が少ないと言われているそばやコーンミールよりも少ない量なのです。ちなみにそばは66gでコーンミールは64gですからキヌアは糖質量が少ないことが分かります。

キヌアの糖質量

しかし、ダイエットのために緩めの糖質制限を始めたい、という人などにとっては、キヌアは役立つ食品だと言えそうです。

その秘密は水分を吸収して膨らむこと!つまり、お茶碗に同じ量をよそっても、元の量はお米よりも少なくて済むのです。茶碗1杯平均大体150gある白米をキヌアに変えただけでなんと1回のご飯で角砂糖10個もの糖質を減らすことができるんですって。その結果、同じ量なら糖質量は半分近くなります。1回でこれだけの糖質を減らせるなら3食全て主食をキヌアにしたらなんと100gもの糖質を減らすことになります。

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お米のように炊飯器や鍋で炊いて食べることができるため、「糖質制限のために主食を抜いているけど、たまには主食を食べたい!」という人にとっては、とても魅力的な食べ物かもしれません。

糖質制限に必要な要素が多いキヌア

また、低糖質なだけでなく、タンパク質や食物繊維など、糖質制限中はきちんと摂った方がいいと言われることの多い栄養素も、豊富に含まれていると言われています。

糖質制限をする時のポイントは「いかに制限して足りなくなった栄養を補うか。」という所にあります。
例えば白米に多く含まれている亜鉛が不足すると味覚が分からなくなったりします。いわゆる味覚障害ですね。近年のダイエットブームでこうして味覚を感じなくなったと病院行駆け込む人もいるそうです。この大事な栄養素の亜鉛も実はキヌアには多く入っています。亜鉛の栄養素は白米の2倍です。素晴らしいですね。

また、筋肉や骨を作るために必要なタンパク質は、糖質制限に関わらず、ダイエット中には不足しないように気を付けた方がいいと言われています。

タンパク質は肉類などから摂ることができますが、カロリーの摂取量が多くなりすぎてしまわないよう、脂肪分の多いお肉以外の食品からも摂るようにしたいものです。

食物繊維には、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあると言われています。また、お通じの調子を整える効果もあるとされています。

糖質制限を始めたら下痢や便秘になってしまった、というケースが見られるようですが、そのような症状の改善につなげることができるかもしれません。

ところで、ダイエット中は気になるカロリーですが、同じ量を比べた場合は、白米とほぼ同じくらいだと言われています。しかし、キヌアは茹でるとかなり膨らみ、また満腹感を感じやすくすると言われる食物繊維を多く含んでいるため、摂取量が減り、結果的に摂取カロリーが下がる傾向にあるようです。
キヌアの膨張率は白米が2倍なのに対してなんと5倍にもなります。このように膨張率が高いので少しの量で満腹感を得ることができます。

キヌアに含まれる栄養素

キヌアは様々な栄養素をバランスよく、豊富に含んでいると言われています。そのため、理想的な宇宙食の素材のひとつとして、アメリカ航空宇宙局(NASA)に評価されたとも言われています。

具体的には、タンパク質や脂質、食物繊維、カリウム、カルシウムなどのミネラルなどを、キヌアから摂ることができると言われています。
なお白米と比較すると、タンパク質は約2倍、食物繊維は約10倍、カルシウムは約6倍とも言われています。

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キヌアには脂質も豊富に含まれているため、「ダイエット中にはあまり食べない方がいいのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、キヌアに含まれる脂質は、オレイン酸などの不飽和脂肪酸の割合が高いと言われています。不飽和脂肪酸は身体に蓄積されにくく、また悪玉コレステロールを減らすなど、健康にもいいとされています。脂質を多く含むとされるキヌアですが、それでもなおダイエットにいいと言われるのは、その脂質の性質が理由となっているようです。

また、体内で作ることができず、日々の食事から摂る必要があるとされている必須アミノ酸も、キヌアから摂取することができると言われています。

必須アミノ酸にはバリンやロイシンなど、9種類があるとされていますが、キヌアにはこの必須アミノ酸9種類すべてが含まれていると言われています。

キヌアは「女性に優しい」?嬉しい美容効果!

栄養豊富な食品として注目されているキヌアですが、美容にいいと言われることも多いようです。

キヌアで美容

キヌアには、「フィトエストロゲン」という成分が含まれています。この成分は、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすると言われています。そのため、更年期障害や骨粗しょう症などの改善につながるとされるほか、美肌効果なども期待できると言われています。

ただ、過剰摂取するとよくない、という意見もしばしば聞かれるようです。サプリメントなどでフィトエストロゲンを摂っている人は、摂り過ぎに注意した方がいいかもしれません。

加えてキヌアには、健康な肌を作るために必要とされるビタミンB2、B6なども含まれていると言われています。

お通じの調子が悪いと、肌荒れなどの肌トラブルが起こりやすくなると言われています。
キヌアには、お腹の調子を整えると言われる食物繊維が豊富に含まれているため、肌トラブルの改善や予防が期待されているようです。

前述のような美容効果が期待できることに加えて、女性に不足しがちな栄養素を摂ることができるため、キヌアは「女性の味方」などと評されることもあるようです。

例えば、キヌアには鉄が多く含まれているとされており、その量は白米のおよそ5倍とも言われています。主に赤血球を作る際に必要とされる鉄ですが、月経のある女性には不足しがちだと言われています。

またカルシウムも、女性にとっては不足しやすい栄養素だと言われることが多いようです。特に閉経後、女性ホルモンのエストロゲンが分泌されなくなると、骨からカルシウムが流出しやすくなり、骨粗しょう症などのおそれが高まると言われています。

キヌアには、このカルシウムも豊富に含まれているとされています。

「グルテンフリー」な食品としても注目

グルテンは、小麦粉などに含まれているタンパク質のことで、小麦粉に水を加えて練ると粘りや弾力が出るのは、このグルテンの働きだといわれています。

グルテンにはアレルギーの原因となるおそれがあると言われており、人によっては腸の疾患などを引き起こす可能性もあるようです。

また、特にアレルギーを持っていない人でも、グルテンを含む食品を食べないことによって、ダイエット効果が得られたり、体調が改善したりすることがある、と言われることがあります。キヌアには、グルテンが含まれていないため、アレルギーやダイエットなどのために、グルテンフリーの食生活をしている人からも注目されているようです。

どうやって食べるの?キヌアの食べ方・調理方法

キヌアの魅力のひとつに、比較的調理がしやすい、というものがあるようです。その使い方は様々で、ご飯のように炊く以外にも、スープやサラダにトッピングする、リゾットやコロッケなどに混ぜる、小麦粉に混ぜてクッキーなどのお菓子にするなど、様々なレシピを見ることができます。

キヌアの食べ方

なお、キヌアの簡単な食べ方としては、お米に混ぜて炊くという方法がよく挙げられているようです。
普通のご飯に混ぜるとなると、主食を抜くなどして糖質制限をしている人には、試しにくいかもしれませんが、「とにかく一度キヌアを調理してみたい」という場合には、手軽で挑戦しやすい食べ方ではないでしょうか。

もしかしたら「私は主食を抜いているから絶対にお米は食べない。」という人もいるかもしれません。その場合はキヌアだけを炊いて食べる方法もあります。
やり方も簡単でキヌアが1に対して水の量は2にして鍋等で茹でて蒸らすだけです。鍋が無理だと言う人は同じ分量で炊飯器でキヌアだけを炊くことも可能ですよ。

お勧めな食べ方はグリーンスムージーに入れて一緒に飲むことです。グリーンスムージー自体栄養が非常に高くカロリーがとても少ないので多くの芸能人も愛用しています。しかしグリーンスムージーはダイエットに最適ですが1つだけ欠点が…。それは腹持ちがしないこと!そこにキヌアを入れるだけで腹持ちが良い栄養価の高い飲み物ができあがるあわけです。
ダイエットだけでなく美容効果や便秘にも良いので試してみてはいかがでしょうか。

キヌアの入手・購入方法

様々な特長が注目されているキヌアではありますが、やはりまだまだ一般的な食品とは言えないようです。
スーパーなどで店頭販売されているのに出くわすことは、なかなかないでしょう。やはりネットショップなどで購入するのが、便利なようです。

最初からたくさん買ってしまうと、なかなか減らないというケースもあるようなので、初めてキヌアを買う人は、まずは少量から試してみるといいかもしれません。

なお、キヌアの多くは南米産だと言われていますが、日本国内でも栽培が始まっており、すでに商品化もされているようです。

キヌアの注意点や危険性:よく洗ってから食べよう!

キヌアの表面には、「サポニン」という成分が含まれています。

サポニンは、苦みやえぐみの元になるとされており、大豆などの様々な植物に含まれていると言われています。水に溶かすと泡立つ性質を持っているため、シャンプーなどに利用されることもあるのだとか。

植物によって、サポニンは種類が違うと言われています。健康効果が期待できるサポニンもあるようですが、赤血球を破壊するおそれがあると言われているキヌアのサポニンは、摂取しない方がよさそうです。

キヌアの注意点

なお、キヌアのサポニンについては、大量に摂取しなければ危険ではないと言われているようですが、よりおいしく食べるためにも、しっかり洗った方がいいでしょう。キヌアには気にならない人には良いのですが、独特の臭いがあります。この臭いが苦手な人もいるのでそんな人は何度か水洗いをしましょう。こうして洗うことで苦味も消えるそうです。泡が出なくなるまで、水で洗うといいと言われています。ちなみに、洗浄済みのキヌアも販売されているようです。

馴染みの無いキヌアという言葉ですが栄養豊富でダイエットにもお勧めということが良くわかりましたね。これを機に、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?