ジャガイモやサツマイモなど、芋類は基本的に糖質が多い食品とされ、糖質制限中は控えた方がいいと言われています。
ところが同じく名前に「イモ」とつくものでありながら、糖質制限をしている人などに適した食品だと言われ、注目されている「菊芋」という野菜があります。イモなのに糖質制限にいいと言われているのは、どうしてなのでしょうか？
糖質制限中におすすめ！菊芋とは
菊芋は、北アメリカ原産のキク科の植物で、地下部の塊茎が食べられています。「イモ」と呼ばれてはいるものの、イモの仲間ではなく、ゴボウなどの仲間とされています。見た目はショウガに似ており、一見すると「芋っぽくない」と感じるかもしれません。
この菊芋の特徴のひとつとして、ほとんどデンプンを含んでいないということが挙げられます。そのため糖質はもちろんカロリーも低く、ダイエットなどに適した食材だと言われているようです。
栄養の豊富な菊芋
ジャガイモなどの主成分とされる「デンプン」をほとんど含んでいないとすれば、菊芋はいったい何からできているのでしょうか？菊芋の主成分は「イヌリン」とされています。イヌリンは多糖類の一種で、タマネギやニラ、ゴボウなどの野菜に含まれていると言われています。
このイヌリンは、人間には分解しにくい成分とされ、摂取してもほとんど吸収されずに排出されてしまうと言われています。そのためイヌリンは、水溶性の食物繊維に分類されています。腸で水分を吸収したイヌリンはゲル状となり、他の食品に含まれる糖質の吸収を防ぐ働きがあると言われています。そのために血糖値の上昇を防ぎ、またインスリンが大量に分泌されないようにする効果があると期待されているのです。
カロリーが低いだけでなく、このように血糖値の上昇を抑えてくれる働きがあると言われているため、糖質制限をしている人や、糖尿病の改善を目指している人などから支持されているようです。加えて、イヌリンは腸内の善玉菌のエサとなるため、腸内環境を整える効果もあると言われています。
また、菊芋に含まれている有益な成分は、イヌリンだけではありません。菊芋には、各種ビタミンや、カリウム、カルシウムなどといったミネラル、必須アミノ酸なども含まれているとされており、この栄養価の高さからも注目されることがあるようです。
菊芋の食べ方やレシピ
菊芋の食べ方については、インターネットなどで様々なレシピを見ることができます。油と相性がいいと言われる菊芋は、炒め物にして食べられることが多いようです。
火の通し方によって変わる食感を楽しむことができるほか、他の野菜も一緒に炒めることで、不足しがちな野菜を補うこともできそうです。なお、生の状態ではシャキシャキ、よく火を通すとホクホクといった感じの食感になるのだとか。
炒め物だけではなく、キンピラや天ぷら、煮物、ポタージュなど、様々なメニューに活用されているようです。加えて、このようなおかずだけではなく、薄く切って揚げ、ポテトチップスのようにして、おやつとして食べることもできるようです。
また、ご飯を炊くときや飲み物などに混ぜることができる、菊芋を粉状にした商品や、菊芋のエキスを抽出した健康食品、菊芋から作られたお茶なども販売されています。手軽に摂取できることに加えて、菊芋自体を普通のスーパーなどであまり見かけないためか、このような商品を利用して、菊芋の栄養素を摂取する人もいるようです。
菊芋の注意点
糖質制限や糖尿病の改善などに役立つと言われている菊芋ですが、菊芋自体もまったく血糖値を上げないわけではなく、大量に食べるのはあまりよくない、という意見もあるようです。もっとも食べ過ぎがよくないのは、どのような食品でも同じことかもしれません。
また、「天然のインスリン」と言われることもある菊芋やイヌリンですが、かといって、この菊芋を食べていさえすれば血糖値は上がらない、ということでもないようです。血糖値を上げにくくする効果が期待できるとはいえ、だからいくらでも糖質を摂っていい、ということにはなりませんので、あくまで油断は禁物でしょう。
糖質制限をしていると、ジャガイモなどの「イモ」はあまり食べられなくなってしまいます。イモは好きだけど食べられないのが辛い、という人にとっては、菊芋はとても役立つ食品と言えそうです。食べたいものを食べられないストレスを軽減し、糖質制
限を長く続ける手がかりになるかもしれません。
もちろん、ジャガイモなどの代用としてだけではなく、血糖値の上昇を防ぐなどの健康効果に魅力を感じる人も多いでしょう。気になる人は、一度食生活に菊芋を取り入れてみてはいかがでしょうか？
美容にも健康にも嬉しい菊芋のように、健康におすすめの食材を紹介していますので、あわせて参考にしてみてくださいね。
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